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コールドカットの「Let Us Play」というアルバムがある。
97年にリリースされたアルバムで、当時SPEEDやミスチルが絶好調だった頃のトイズ・ファクトリーが彼等のレーベル・NINJA TUNEと国内盤の販売契約をし、結構な宣伝と来日を何度か繰り返していたように記憶している。国産のヒップホップはだんだんリアルでハーコーな人達が幅を聞かせはじめ、テクノのクラブに行ってもミニマルで速いし暗いし展開ないか、一晩中ハッピーでアッパーなやつのどっちかしかかからないし…そんなんでうんざりしていた時期、次から次へとコラージュ的にサンプルが変わっていく「MORE BEATS+PIECES」「ATOMIC MOOG 2000」といったブレイクビーツは実にカラフルで魅力的に映ったのでした。
で、なんでこんなこと書いたのかというと、2011年リリースされたノンセクトラジカルズの、結成20年にして最初のアルバムを聴いていると、コールドカットに非常に似ている点が、何点か見受けられると感じたからだ。まず2人組で、ブラックコンテンポラリー/ダンスミュージックに対する造詣が深く、活動歴が同じぐらい長い。メジャーな仕事も多くこなしつつ、その一方で違法性のあるアングラ仕事も手掛け、そして、これはノンセクトに至っては今回限りなのかどうかはわからないけど、政治的なメッセージ色も強い。
2000」「TIMBER」といったマスターピースに比べ、アルバムの曲の音楽性に「お勉強感」が強くなり過ぎた。前述したように、シリアスなメッセージを曲に込める事が悪いということではない。ブレイクビーツの元ネタのひとつであるジャズに回帰しようと生音に腐心したり、先進的なビートを追求するあまり難解になってしまい、いまいちダンスミュージックとしての衝動には欠けるものになってしまったからなのでは…今にしてみればそう考えている。「Let Us Play」が「ノンセクトラジカルズ」と違う点はここにある。ノンセクトのこだわる対象はあくまでEDITのテクニックや方法論であり、やれエレクトロニカだのベースミュージックだの、新しい音楽ジャンルに対するこだわりは無く、あくまでダンスミュージックはダンスミュージックであり、それ以上でもそれ以下でもないのだ。だから難しくなく、楽しく聴くことが出来る。
